四章 “影”再び

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一方、格納庫に戻ったラキトを迎えたのは、一枚の巨大な円盤型のディスクだった。 「これは…」 時折七色に光るディスクを見上げ、ラキトは呟く。 「V-ディスク…?」 V-ディスクとは、VRの心臓部であるV-コンバータ内に収められている巨大なディスクの事である。 ムーンゲート・月面遺跡から採取されたV-クリスタル質を加工して作成され、VRの設計データが記録されている。 VR製造の為になくてはならない物だ。 「どう?」 背後からシャルが声をかけた。 「これならラキト君も全力を出せると思うわ。自分で言うのもなんだけど自信作よ~」 「博士、あの」 「あーいいってお礼なんて!前に言ったでしょ、最適な機体を提供するのがアタシ達の仕事だって」 「いや、だから」 「しかし大変だったわ!おかげでここ数日完徹よ」 「…博士!」 「ん?何よさっきから」 「あーその、V-ディスクだけを見せられても、パイロットの俺には、なにがなんだが…」 はっ、とするシャル。 少々気まずい沈黙が流れる。 「…ごめんなさい。はは、そりゃそうよね…」 シャルは頭をかきながら、周りの整備員に合図を送る。すると、 ゴウン… 巨大なアームがディスクを掴み、その隣にあったV-コンバータ内に収められる。
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