五章 激突、そして

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ドガァ! 「なっ…!?」 大振りの一撃を躱し、その隙に間合いを広げようとしたエニス機を、“シャドウ”の右腕から射出されたクローが捕らえる。 【……!】 「しまった…!」 “シャドウ”が飛び上がり、バランスを崩し倒れたエニス機に向かい上空からドリル特攻を仕掛ける! ズガガガッ!! 両腕に持つソードを交差させ、なんとか防御するがいつまでも防ぎきれるものではない。 「ううっ…!」 しかし、限界を越えたのは別の所であった。 ガラガラッ!ズウゥン! 甲板の装甲を突き破り、もつれあいながら二機は下層に落ちる。 「!、ここは…」 そこはVR発進用のカタパルトであった。 見れば“シャドウ”の方が発進口側に居る。 「……」 それを見たエニスは素早く“リビエラ”の管制システムにアクセスする。 するとカタパルトの両璧の指示灯が灯り、射出準備に入った事を知らせる。 【……!?】 “シャドウ”も異常に気付くがすでに遅かった。 ドンッ! 【!!】 カタパルトによって加速したエニス機がタックルをする様に“シャドウ”を捕まえ、そのまま発進口へ空中へと押し出す。 「すまない……ラキト…後は…」 射出時の衝撃に揺さ振られながら、エニスは目を閉じた。 「貴公に…まかせたぞ…」
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