五章 激突、そして

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それでも相殺しきれなかった炎弾があったが、たかだか数発。避ける事は造作もなかった。 「今度はこちらからだ!」 “シャドウ”に向かって突き進む『サイファー』の左手が青く光りだし、その灯った光が数本の鋭利な刄へとその姿を定めていく。 「いけっ!」 やがて出現した青い光の刄・ビームダガーを手裏剣の如く投げ付ける。ダガーは左右に広がりながら“シャドウ”に迫っていく。 「続けて、もう一つ!!」 その後一呼吸おいて、左右の肩に二つずつ装備された鋭い突起状のレーザー発振器から、ホーミングレーザーを一斉照射させた。 ダガーとレーザーの二段攻撃を展開させたラキトは、『サイファー』をその攻撃の後に続かせる。 自らを「三段目」とする為に。 たとえ一段目が躱されても続く二段目、三段目が敵機を追い続ける。 たとえ一段目を受けきっても続く二段目、三段目が追撃される。 全て躱しきるか、全て受けきるか。 それとも… マルチランチャーから発生させたビームソードを構え、『サイファー』は“シャドウ”に肉薄する。 「さあ、どう返す?“シャドウ”!!」
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