五章 激突、そして

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【………】 ラキトの仕掛けた三段攻撃に“シャドウ”は「躱し」もせず「受け」もせずに「反撃」で返した。 即ち自らの持つ最大の攻撃、ドリルを使用した突撃戦法による正面突破。 あらゆる物を粉砕しどんな攻撃も通じない、攻撃と防御を兼ね備えた攻防一体の、まさしく「不破の技」だ。 その名に相応しく“シャドウ”のドリルがダガーを、レーザーを、弾き掻き消していく。 そしてそのまま三段目であるラキトを粉砕せんと、さらに勢いを増していった。 「…だろうな」 戦局が一転し逆に追い込まれた形になったラキトであったが、慌てる事もなく淡々と機体を操っていく。 “シャドウ”がその選択肢を選ぶだろうことは、ラキトは予測出来ていた。 というよりもこの三段攻撃自体、反撃を誘う為の布石であった。 「一か…」 迫りくるドリルに、ラキトはビームソードを下段からすくい上げる様に振るう。 「八か!」 そしてドリルとソードが接触しようとした瞬間、ソードが消えた。 【………!】 “シャドウ”はラキトのその予測だにしなかった行動に反応できず、そのまま突撃を続けるしかなかった。 『サイファー』はそのまま“シャドウ”の上を飛び越えて一回転、その後方に着地する。
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