五章 激突、そして

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『サイファー』を振り向かせ、再びラキトはビームソードを愛機に構えさせる。 「時間も無い…ここで決めさせてもらう!」 【………!!】 ソードを振りかざし全開で“シャドウ”に迫るラキト。 対し“シャドウ”は後退しつつ牽制のフレイム・ランチャーを連射するが、いかにも苦し紛れであった。 『サイファー』の変幻自在の回避機動の前では足止めにもならない。 ラキトは炎弾を躱しつつさらに加速をかけ、一気に間合いを詰める。 「逃がさんっ!!」 烈迫の気合いと共に振り下ろされた斬撃は“シャドウ”の右腕を斬り落とした。 さらに『サイファー』は一歩踏み込み、振り下ろしたソードを今度は斬り上げる。 バシュゥゥ…! 【……??……!!】 手応えは十二分にあった。 それを証明するかの様に“シャドウ”に深い傷跡が刻まれ、そこから火花が散っている。 「…………」 ラキトも“シャドウ”も動かない。 戦場を包んだ束の間の静寂の中で、火花の散る音だけが辺りに響いていた。
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