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『サイファー』を振り向かせ、再びラキトはビームソードを愛機に構えさせる。
「時間も無い…ここで決めさせてもらう!」
【………!!】
ソードを振りかざし全開で“シャドウ”に迫るラキト。
対し“シャドウ”は後退しつつ牽制のフレイム・ランチャーを連射するが、いかにも苦し紛れであった。
『サイファー』の変幻自在の回避機動の前では足止めにもならない。
ラキトは炎弾を躱しつつさらに加速をかけ、一気に間合いを詰める。
「逃がさんっ!!」
烈迫の気合いと共に振り下ろされた斬撃は“シャドウ”の右腕を斬り落とした。
さらに『サイファー』は一歩踏み込み、振り下ろしたソードを今度は斬り上げる。
バシュゥゥ…!
【……??……!!】
手応えは十二分にあった。
それを証明するかの様に“シャドウ”に深い傷跡が刻まれ、そこから火花が散っている。
「…………」
ラキトも“シャドウ”も動かない。
戦場を包んだ束の間の静寂の中で、火花の散る音だけが辺りに響いていた。
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