五章 激突、そして

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“シャドウ”が放った強烈な光も徐々に弱くなり、ラキトの視界に色彩が戻る。 だが先刻までは有った筈の、ある一つの色が足りなかった。 “黒”である。 それは“シャドウ”の機体色。 ラキトの眼前から“シャドウ”は忽然とその姿を消していた。 (何処へいった…?) 左右を見渡すが、見えるのは砂と岩山ばかり。何処にも“シャドウ”の姿は見えない。 退いたのか? (いや、あの声はもう少しつきあってもらうと言っていた。なら、まだ何処かに居る筈) と、その時。 『…聞こえるか!?ラキト!』 「エニス?」 『早く、早くその場から離れろ!』 いきなり入ってきたエニスからの通信にラキトは少し戸惑う。 「離れろって一体何がどうして…」 その強い口調から彼女が真剣なのは解るが、何がそうまでさせるのか。 『馬鹿者!!上だ!!』 「上だって?」 そう、ラキトの頭上に有った。 エニスをそうまでさせるモノが。 「…………………な」 そこには“シャドウ”が居た。 「……何なんだ…」 ただ…。 「アレは一体何なんだッ!?」 元の大きさよりも遥かに大きく、巨大化した姿になって。
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