85人が本棚に入れています
本棚に追加
再びモータースラッシャーに変形、上昇する。
「デカブツが…!」
攻撃が当たっていても効かなくては意味が無い。ただこちらが消耗していくだけだ。
それでは、いずれ…。
「うおおおおおおッ!!」
“シャドウ”の眼前に飛び出しVR形態に変形、ありったけの射撃兵装を発射する。
肩部ホーミングレーザー、左腕ビームダガー、胸部ビーム砲が“シャドウ”の頭部に命中していく。
「これでどうだぁー!!」
最後に右腕のマルチランチャーからターボレーザーを撃ち出す。
フルチャージされたエネルギーの閃光が突き刺さり、直後に大爆発を起こした。
―しかしそれでも。
「………チッ」
“シャドウ”は立っていた。何事も無かったかの様に。
「OK!いいわよ!」
コクピットのサブシートに座るシャルの言葉を受けエニスは自らの剣、愛機『テムジン』を起動させる。
(すまない…休ませてやりたいが今はお前の力が必要なんだ…!)
心の中で愛機に詫びる。
「エニス!何とか出力は安定させたけど完調時の一割、いいとこ二割が限界よ。その上、そんなに長くは保たないわ」
「一撃加えられるかどうか、といった所か…」
ぎゅっ、とコントロールスティックを握り締める。
何とかその一撃を勝利、ないしは反撃の切っ掛けにできれば…。
「くっ…」
手持ちの札(カード)はあまり良いとは言えない。
最善の切り方をしなければ待っているのは『敗北』の二文字。
エニスは唇を噛み締めた。
最初のコメントを投稿しよう!