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そこには、先程見たものと同じ光景が広がっていた。
ただ倒れているVRが自軍のものであるという違いはあったが。
「……」
間違いない。この第71戦区にRNAでもDNAでもない、第三の勢力がいる。
それもとてつもない戦闘能力を持ったヤツだ。
ラキトは全方位を警戒しつつ、この後どうするべきか考えていた。
RNAの軍人としては、
(勝敗が決したという連絡が無い以上、勝手に戦地を離れることは出来ない)
だが一人の人間としては、
(一刻も早くここから離れたい。ここにいたら生命が危ない)
結局二つの考えが衝突しあい、結論がでないままそこに留まったことが、彼の命取りとなった。
―ドクン―
急激に周囲の気温が下がった気がした。
―ドクン、ドクン―
背後から凄まじい殺気を感じ、ラキトは機体をゆっくりと振り向かせる。
―ドクン、ドクン、ド―
そこには、
漆黒の“影”が立っていた。
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