一章 “影”との邂逅

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「っぬぅぅ…!こっの旧式(オンボロ)ぉぉぉー!!」 押し返すことはできない。 (ならば…!) 鍔迫り合いの体勢のまま、ラキトは『サイファー』の胸部ビーム砲を零距離で撃ち放つ! ズシャアァァッ! 吹っ飛ぶ“影”。 だが『サイファー』も同様に吹っ飛ばされてしまう。 「ヘッ、ざまあみろ…」 衝撃に身体を揺さ振られながら、ラキトはそんな強がりを言う。 ああするしか方法は無かったものの、『サイファー』の薄い装甲では下手をすれば自殺行為である。 実際、胸部ビーム砲は使用不能になっていた。 しかし、“影”の方はというと吹っ飛ばされはしたがそれだけで、ほとんどダメージを受けてはいなかった。 「…そうかよ」 平然としている“影”を睨みつつ、ラキトは『サイファー』を立ち上がらせる。 「なら、とことんやってやる!いい気になるなよ、この黒づくめ野郎ッ!」 『同感だ』 先程、ラキトを叱咤した声が突如辺りに響きわたる。 「!?」 声がした方を見上げると、そこには― 『“シャドウ”よ、これ以上の狼藉、白光の騎士たるこのエニス・レアリスが許さん!』 ―光に包まれた純白のVRが今まさに虚空から現出しようとしていた。
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