さよならの真ん中

2/2
前へ
/4ページ
次へ
俺は栄口より早く絶対に死なないし、お母さんみたいに置いて行かないよ。 確かにそう約束したけど、早すぎだよ。一緒の大学に入ってすぐ病にかかるだなんて、本当どこのドラマ。 最期なんか栄口の方がツラいってわかってんのに 俺大泣きして縋りついて それ見て栄口は困った顔して微笑いかけてくれたね。 『水谷 俺のこと愛してる? 忘れてなんて言わない 愛し続けてなんて言わない ただ、お前の望むように生きて』 幸せになって …だなんて卑怯すぎるよ。 俺がそんなこと出来る訳ないのに。 お別れの日は呆気なく来てしまい、安らかに召された君の顔はまるであの夏の穏やかな一日のようで、俺はただ泣き叫ぶことも出来ずそれをただ呆然と見守ることしかでなかった。 君がもうこの世にいないことはこれ以上ないぐらいに悲しい。 でも何故か心の奥深くでは朗らかな暖かいもので満たされているんだ。 それは今でも、君が居る証。 君が残したものは俺の中で一緒に生き続けるよ。 (俺は忘れないし愛し続ける。だから生きる、お前にまた会う日まで。)
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加