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研究所セクションに着いた美月は小山を探す。
一番奥の部屋から、小山の声が聞こえてくる。
「違うなぁ……どうしてもっとまわりを見ない?若い頭を柔らかく使わない?君のやっている事は、ただの自己満足だよ」
「……しかしそもそも研究とは、一つの事をトコトン突き詰めていく事です!小山さんは特別です……僕はそんなに器用じゃない」
口調は穏やかだが、あきらかに言い争っている様子に美月は声をかけそびれる。
「コヤマノ ジーチャン!プロジェクトノ タントウシャガ サンジョウシタデ!」
ハリセンがお構いなしにスイスイと部屋に入り、声をかけた。
美月も慌てて部屋に入る。
小山と言い争っていた青年は、美月に頭を下げると部屋を出て行った。
「お取り込み中だったのでは?」
小山はいつものように軽く手を挙げると、
「な~に!いつもの事じゃよ!んっ?木嶋さん……大福を食べたかな?」
美月は、慌てて口を押さえた。
「麒麟COMPANYのエースともあろう者が、大福の粉を付けてるとは!ハッハッハ!」
美月は赤くなりながら、ハリセンに口のまわりを拭いて貰った。
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