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「こうして現役で働ける事は、本当にありがたい。私はね社長、そろそろ研究所セクションの新しい責任者を育てなければならない」
「小山さんでいい!まだいける!そうだろ?」
社長はキラキラした目で小山を見つめる。
「私の最後のプロジェクトは、新しい責任者を生み出す事。それが夢であり、麒麟COMPANYへの恩返しです」
社長は黙って空を見上げた。
小山とは、麒麟COMPANYを立ち上げた時からの付き合いだった。
「昔から……言い出したら聞かないからなぁ?感謝してるのは私のほうだよ?……最後のプロジェクトをやってくれたまえ!」
秘書ロボットは小山を労るようにコーヒーを注いだ。
「ポカポカしていい気持ちですなぁ?そうだ、社長!私の最後のわがままを聞いてくれますかな?」
今まで穏やかだった小山の顔は、研究所セクション最高責任者の顔になる。
「私の後任にはぜひ、引っ張って来て欲しい人物がいるのです」
社長はにっこり笑うと、
「目星はついているんだね?面白い!協力するよ!なんでもね!」
秘書ロボットが心配そうに社長をつつくが、社長は知らん顔だ。
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