始まりの音

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「さて、その格好はどうしたんだ?」 僕の向かいに座った校長が、僕の目を見て尋ねる。 院長と同じ目。 …こう言う大人の顔(目)は信用出来ない。 でも、話さないと余計この大人は僕をダメ扱いするだろう。 だけど 「…チンピラにやられました。」 僕は切れて血の味のする口を開き、ハッキリ言った。 すると校長は 「そうか。君の顔は見ていてムカつく顔をしているからねぇ。 あ、私は悪気があって言ってるんじゃないんだ。 君の事は良ーく知ってるからね。 うちの学校始まって以来の問題児ってね。」 僕の顔近くに自分の顔を近付けて、二カッと笑った。 悪気があって言ってるんじゃないんだ? はぁ?笑わせるな!! 結局、僕の事なんか何一つ解って無いくせに!! いつも僕独りが悪者なんだ!! どんな場所に行っても、僕が悪い。 僕を助けてくれる人は、何処にも居ない!! …いや…居る。 死んだ僕の家族。 僕の家族なら、僕の事を助けてくれるし 『良く頑張ったね。』 って優しい笑顔で包み込んでくれる筈。 だけど現実は違う。 僕の家族は僕独りを残して、遠い国に行った。 こんな辛い思いをする位なら、僕も連れて行って欲しかったのに…。 「僕が…僕が何をしたって言うんだ!!」 ソファーから立ち上がり、僕は校長を殴った。
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