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所詮(しょせん)、この世には他人より自分の事が大事だって人間だらけだ。
テレビとかで観る、熱血教師もボランティアに精を出す人間も、殆ど居ない。
一般の人間が、生きてる間に巡り合うのは困難だろう。
僕は、そう思っている。
「おらっ!!生意気な事言ってんじゃねーぞ!!
殺すぞ!!てめぇ等も何見てんだよ!!」
僕の頭を踏み付けながら、出来もしない事をチンピラは言い、この騒動の火の粉が飛び散らない様に見て見ぬふりをしている歩行者達を睨む。
本当に芸当がないよなぁ。
殴られながら僕は思い
「馬鹿のっ、一つ覚え!!」
口の端で笑った。
「…んだと!?てめぇマジで死ね!!」
「ぐっ…!!がっ!!」
「はぁ…はぁ…。てめぇ、今日のところはこれで許してやる。
明日はちゃんと金、渡せよ。」
僕を散々殴ってスッキリしたチンピラは、ボコボコに腫れ上がった僕の顔に唾を吐いて言い、金を奪う事なく僕から放れて行った。
多分、僕からは金が取れなかったから他をあたるんだろう。
「うっ…痛っ!!」
僕は、よろけながら身体を起こす。
眼鏡がないからなのか、目が腫れ上がってるからなのかは解らないが周りがぼやけている。
「はぁ…。」
大事な眼鏡だったのに。
制服もボロボロだ。
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