始まりの音

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『村上聖(むらかみ・さとし)君。 至急、職員室へ来なさい。』 僕は溜め息一つ吐いて、立ち上がり教室を出た。 「村上!!何だ、その格好は!? 誰かと喧嘩でもしたのか!?」 担任の西野が目を充血させて、怒鳴る。 そんな西野に僕は頷いた。 すると西野は 「どうせ、お前がその汚い目で誰かを見たんだろ!!」 僕を責める。 何故、この男は毎回僕に訳を聞かず勝手に決め付ける? チンピラもだけど、こいつも僕の事を何も知らないで怒鳴り散らすんだ。 「おいっ!聞いてるのか!?」 机を両手でバンッと叩く。 そんな西野に 「まぁまぁ、西野先生。 そんな風に怒鳴ってばかりでは、彼も言いにくいでしょ?」 言いながら西野の肩に手を置き、ねぇ?と首を僕に田中校長は向けた。 「校長先生。だけど、こいつは何度言っても解らないんです。 人間の屑(くず)ですよ、屑。」 西野が僕を横目で見ながら言い 「そんな言葉は使ってはイケませんよ。」 校長が西野に注意をする。 何、くだらない事をこの大人達はやっているんだろう? サッサと教室に戻りたい。 チンピラのせいで一時間目の授業は受けられなかったんだから。 そう思っていたら 「私から話しを聞くから、西野先生は次の授業に行って来て下さい。」 と、西野の背中を押した。
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