かぐや姫の約束
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次こそ、と月の都行きの輿に乗ろうとした時ー…。 「かぐや姫!」 おじいさんとおばあさんの声とはまるで違う、力強い声が聞こえてきた。 聞きおぼえのある声。 私が、この世界で愛した人の声だった。 「み、かど…」 いつもは、仰々しいまでの輿に乗って、たくさんの人を従えてくる帝が、単独で馬で駆けて来た。 「かぐや姫。…頼む、行かないでくれ」 眉間にシワを寄せ、苦しそうな表情で、そう言う。
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