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涙は、私の思いに反して溢れ続ける。
月が…故郷が懐かしいんじゃない。
ただ、この『帝』が居る場所を離れたくないがためだけに、涙は落ちるのだと気付いた。
この世界に来たのは、ただの気まぐれだった。
月の都では姫だった私はただ退屈なために、都を抜け出してこの世界に降りてきた。
だから、ここで起きることの全てが楽しい遊び。
必死になって求婚してきた殿方に、無理難題を押し付けるのも。
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