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案の定、話した後。
帝は、そそくさと帰って行った。
これで良かったんだ。
どちらもがツラい別れよりも、私1人がツラい別れの方がずっと良い。
「…さぁ、姫。参りましょう」
月からの使者が、私に向かって手を差し出した。
「か、かぐや姫!」
背後から、おじいさんとおばあさんの声が聞こえる。
「おじいさん、おばあさん。今まで、ありがとうございました。…どうぞお元気で」
そう言い、おじいさんには使者が持ってきた月の都の衣を。
おばあさんには、手紙を渡した。
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