二、いない

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  川瀬は正面の教壇にボストンバックを置き、大きな音を立てて座った。   「倉本君も、そう思うだろう?」     「…………」     無視。       まぁ見慣れたやり取りではあるが、これにもそろそろ飽きた。   入部したての頃は、この馬鹿で煩い教員に随分振り回されたが、よく観察してみれば、この男はワンパターンでただ単に煩いだけなのだ。   慣れれば振り回される事もない。  
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