二、いない

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            “しろい”。   濁った煙が、白い。       いつも眺めている。       白い壁。 白い服。 白い紙。 白い花。 白い雲。 白い雪。           「――篠(シノ)さん」       白い、肌。       篠原みしろはそれらをいつも眺めている。   そして、嫌悪する。   みしろは声のした方を向く。       そこには白い肌が在った。  
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