第二章:校舎内の迷宮

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俺はトボトボ廊下を歩いていた。   「そういえば奈美はトイレに行ってたんだよな…」   しびれをきらした俺はトイレの方に向かった。トイレは各階に一つしかない。階段の近くに男女ともある。 ここから階段へは遠い。何故なら階段は2-2の近くにあるのだ。   「遅すぎなんだよ…。俺は早く帰りたいってのに」   俺はとりあえずトイレの方向に確かに向かっていた。 しかし2-5を通り過ぎた時に出てきたのは[化学室]と書かれた教室だった。   「あれ?なんで化学室なんだ?」   俺がいたのは三階だった。だが化学室は一階にある。明らかにおかしい…。   「な、なんでだよ…」  俺はとりあえず来た道を戻ろうとした。でも戻れなかった。 後ろは行き止まりで[図書室]と書かれた教室があった。   「な、何がどうなってるんだよ…」   仕方なくもう一度前を向いて化学室を通り過ぎてみた。すると今度は[被服室]があった。本来被服室は四階だ。   「なんで学校で迷子にならなきゃいけないんだよ…」   そもそもなんで構造が変わってるのだ。現実ではあり得ない。さっきの偽奈美といい、この現状といいもう認めなければいけないのだろうか…。   「ま、ま、まさか…ねえ…あり得ないでしょ…そんな非科学的なことは信じないぞ」   口ではそう言っているが今の状況を説明することは俺には不可能だった。
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