序章:静かすぎる学校

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俺は八嶋 大輔(ヤシマ ダイスケ)。高校二年生だ。只今の時間PM九時。俺は学校に向かっている。何故夜に学校へ行こうとしているのかというと…   「まいったぜ…。明日までに書かなきゃいけないレポートを忘れるなんて…」   つまり忘れ物をしたから取りに行くわけだ。   「だからってなんで私まで行かなきゃならないのよ…」   こいつは谷口 奈美(タニグチ ナミ)。俺の幼なじみで同じ高校のやつだ。   「だって怖いじゃんか」   俺は極度の怖がりで夜ってことだけでもうだめだ。 それに比べて奈美はそういうのは全く大丈夫なのである。   「ま、別にいいけどね…。あ~幽霊でも出ないかな~。一度見て見たいのよね~」   と、まぁこんなやつなのである。 俺は幽霊など全く信じていない。むしろいないでほしい。   「つ、着いちまった」   俺達は校門の前に来た。   「わお!雰囲気あるわね~」   確かに夜の学校は迫力満天だ。いつも見慣れた建物なのに全然違う。   「ほらっ!入るわよ!」   奈美はそう言うと塀を乗り越えた。   「ま、待ってくれよ~!」   俺も後に続いて塀を乗り越えていった。 俺は下駄箱に着いた時妙な違和感を感じた。   「な、なぁ…。なんか静かすぎじゃないか?」   それに誰かが見てるような…。   「気のせいよ。早く取りにいきましょ」   奈美は全く気にせずに進んでいく。俺はその後を追って漆黒の暗闇に入っていったのであった。
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