第一章:覚えのない教室

3/7
前へ
/150ページ
次へ
「なんで左にも廊下が続いてるんだ?」   俺のクラスは八組で当然端っこだ。左側は壁のハズなのに何故か廊下が続いてるのだ。   「な、な、なんでだよ…。なんで壁じゃないんだよ…」   俺は恐る恐る本来壁のあるハズの方向に向かって歩き出した。すると[2-9]と書かれた教室があった。   「に、に、2-9なんてあったっけ…?」   当然ないのだが俺はこの事実を無理のある仮定でやりすごした。   「明日から2-9が出来る予定だったんだよ!そうに違いない!」   無理がありすぎる。でも恐怖から逃げたかった俺はとりあえずその案でいくことにした。   「さぁ~て俺は自分の教室に行きますかね!」   俺はそう言うと歩き出そうとした。 だが一歩も踏み出せない。   「な、なんでだ…?体が動かねえ!」   俗に言う金縛りにかかってしまったらしい。   「冗談はやめてくれ!」   俺が叫びまくっていると教室の中から声がした。 うちの学校のガラスは外から中が見えないガラスなのだが、その時は違った。外から丸見えなのだ。 教室の中では何か話し合いしているようだ。中にいる人はみんな顔に影がかかっていて見えなかった。 すると先生らしき人が   「みんなに多数決を取ろう!」   何の多数決だと思いながら俺はボーッと見ていた。   「コイツは無罪か。それとも死刑か」
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

218人が本棚に入れています
本棚に追加