第一章:覚えのない教室

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俺が投げたのは黒板消しだった。黒板消しはまっすぐ体に当たった。すると体は机の影に倒れた。   「ナム~成仏して~!ナムアミダブツ~!」  俺はうずくまってお経を唱えていた。 だが辺りはしーんとしているだけだった。体が起きてくる様子もない。 俺は恐る恐る体の倒れたところへ行ってみた。すると何かが落ちていた。   「ほうき!?」   そこには学校でよく見る柄の長いほうきだった。何故か履く部分が取れていて近くに落ちていた。   「そうか!俺はほうきと見間違えてたんだ!そうに違いない!」   でもそう簡単に間違えることはないだろう。いやむしろ間違えることなど出来ない。人とほうきなんて見ればわかる。 俺はとりあえず変な仮定でその場はやり過ごした。 しかし何故かずっと頭の中で引っかかっていることがある。   [お前のせいだ]   あれはなんだったのだろうか。   「まぁ気のせいだろう!ってか人違いだろ!」   俺はそう自分に言い聞かせた。 そしてこの不気味な教室から出て行ったのだった。
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