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石田が所属する中隊はとある日本軍の小さな拠点に到着した
この付近は完全に日本が支配しているため安全である
ここでは3日分の食糧や水の補給と手榴弾など装備を整える予定になっている
その夜 石田は拠点の歩哨(簡単に言えば拠点の警備)をしていた
敵の襲撃の恐れは低いが戦時である しかもスパイなどが侵入すれば大変である
石田は1人で歩き回りながら警戒をしていた
そこにガサガサっと石田のすぐ近くの茂みがゆれた
「誰だ!」
携行していた三八(さんぱち)式歩兵銃…いわゆるライフルを茂みに向ける この時 石田は「敵と1人で戦うかも知れない」という恐怖を感じていた だが
(家族を護るために1人でも敵を倒すまでは死んでたまるか)
そう思うと落ち着きを取り戻し意識を銃の先にある茂みに集中させる その時
「よろしいっ!」
茂みから声が聞こえてきた そして茂みから竹下中尉が顔を出した
石田は相手が竹下中尉であった事に驚くも敬礼をする
「最近は歩哨している兵が驚いて逃げ出す事が頻発していると聞いて試してみたのだ よくやった」
満足したのだろうか かなり竹下中尉は機嫌が良い そして
「交代後 本部まで来るように 池内大佐が呼んでいる」
と伝えて去って行った
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