21人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
自分が人間で、何らかの形で死んだというのはわかる。
だが、生きてた時の記憶を思い出せないのだ。
思い出そうとすると、それを阻止するかのように、ちょうど頭に相当する部分が、割れるような痛みを引き起こす。
固い物で殴られたような感触、とでも言おうか。
――何故俺は、ずっとここにいるんだろう?
通常死んだなら、とっくにあちらの世界で成仏してるはずなのに。
それができないということは、俺は生前、何かしでかしたんだろうか。
わかりさえすれば天国なり地獄なり、落としてくれって気持ちにもなるのに。
最初のコメントを投稿しよう!