プロローグ~星になりたい

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「どうにかなんねえかな……」 誰にも聞こえない独り言を言って、俺は空を仰ぐ。 少し強めの風が吹き、後ろでざあっと草が擦れ合う音がした。 この場所にだけ生える、いやに長く伸びた草が風にそよぐ音や、土手の目の前にある川の流れる音にはいい加減飽きていた。 でも不規則に瞬く星空だけは、いくら眺めても飽きることがなく、孤独な俺を慰めてくれてるような気がした。
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