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そう言い終わらないうちに、天使どもは桃に向かって手をかざし始めた。
奴等の手に白い光が集まり、やがてそれは一つになって桃に注がれた。
「何っ!?」
さっきまで小さかった桃が見る見るうちに大きくなり、俺の視界を遮っていく。
「さて…こちらも…。」
今度は俺に向かって白い光が集まり始める。
「!?」
痛みは感じないが、体から力がどんどん抜けて行くのが分かる。
───気持ち悪い…。体の中が…っ…
それと同時に意識もぼやけて来やがるなんて…。
「貴様を人間界に追放する!
か弱き赤子の姿になり、この入れ物の中で朽ち果てよ!」
───人間…界?
俺が最後に聞いた言葉はそれだけだった。
部屋に満ちていた光は桃に全て吸い尽くされ、桃は跡形もなく消えた…。
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