出生

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   それにしても、天界の神様とやらの部屋に入った瞬間に追っ手が来やがるなんてよ。ついてねぇぜ。  見張りをしてた俺の仲間は数人の追っ手どもに瞬殺されて、俺も死ぬことを覚悟したが、 「アナタには実験台になってもらいますよ。」 …なんて言いやがった。  あの時ゃ、綺麗な顔して悍ましくなるような台詞を吐くアイツらの方が、よっぽど地獄の住人にふさわしいと思ったな。 「実験台…だと!?」  俺は鎖で繋がれた首を必死で振って抵抗するが、無駄だった。  無理矢理外そうとすれば、鎖に電気が流れるようになってやがる。 バリバリバリバリ! 「んなっ…!!」 「無駄ですよ。 死なない程度の電気にしてはありますが、何度も繰り返せば命を落としますからね。」  こいつら、本当に天界の『天使』かよ!?かなりの性悪だぜ。  這いつくばる俺を楽しそうに覗きこむ顔には、反吐が出るような笑顔が浮かんでやがるから質が悪い。    
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