出生

5/11
前へ
/100ページ
次へ
  「さて。実験をしましょう。用意を。」    リーダーっぽい天使が縄で縛られた俺の体を踏み付けながら笑う。 「おや? なんですか?その表情は…。」  俺の睨み付ける顔が気に入らなかったのか、ヤツは笑顔を消して俺を見下ろす。 「けっ!天使様たちがこんな小悪党一人に寄ってたかって情けねぇな。」  こんな奴等に見下ろされたぐらいでは、どうってことない。だから、余裕の笑顔で言い捨ててやった。 「ほぅ。」 ドガッ!!!  リーダーっぽいヤツが俺の頭を思い切り蹴飛ばした。 「我が主の部屋へ入り込んで無様に捕まった愚か者が、何を生意気な! さっき殺した貴様の仲間のように、一瞬にして消してやってもいいのだぞ!」  俺の頭からは血が少し流れていたが、そんなことに構ってる場合じゃねぇ。  どうにかして、このピンチを切り抜けねぇと。 …まぁ、こんな状態じゃ本当に身動きなんて取れねぇけどよ。  そう思っていたとき、取り巻きの天使が何かを持って来た。    
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加