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びしっ!
部屋に入ると、ママは無言で私の右頬を叩いた。
そして冷たい目で私を見据える。
何も、本当に何もしていないのにな。
でもこんなのはいつもの事だ、そう考えて、
「どうして私が」という気持ちを必死に忘れようとした。
きっとママは私のことが嫌いなんだ。
私が悪い子だから。
私が言うこと聞かない悪い子だからいけないんだ。
いつもそう思って、ひたすら耐えた。
さっき叩かれた頬がじんわり熱をもってひりひりした。
赤くなった頬を、右手でさする姿を見て、ママは私をキッと睨んだ。
「……なに?頬なんかさすって。殴ったあたしに対する当て付け?本っ当に可愛くない子ね!!」
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