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その声は、 世界の隅っこで、誰にも見つからないように、誰の邪魔にもならないように、必死に声を殺しているように感じた。 もっとちゃんと、声が聞きたくて、私は無意識の内に、体をベランダの仕切りに寄せていた。 発砲スチロールで出来た脆い仕切りに、その小さな体を出来る限り寄せた。そして、相手に負けないくらいの小さな声で言葉を紡いだ。 「……あなたも?」 心なしか、声が震えた。  
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