第一章-2“守護林の少女-起床ー”

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▼ 習慣で起きたらまず家族のみんなに「おはよう」と言う。 もうみんないなくなっちゃったけど、これだけは欠かしたことがない。 一通り家族のみんなに挨拶すると、私が今日も元気いっぱいだよっ!て、伝わっていくような気がする。 それでまた今日一日頑張るぞ!と思えてくるんだよ? 今日一日分の元気を補充したところで、お気に入りの白いワンピースを来て家を出る。 外から見ると私の家はとても新しい。 緑色のペンキで彩られた木の壁には蔦や傷は見かけられず、継ぎ当ての木板も一枚もない。 そして極めつけに窓にはきれいに磨かれたガラス窓が朝明けの太陽を反射して輝いている。 家の裏に回り込んだところに井戸があって、そこで顔を洗うと朝が始まる。 また表に直接戻るのではなく、そのまま裏の垣根を抜けて畑で作物を収穫する。 「うん。全員元気がよろしい! さてさて熟れているのはどれかな?」 今は夏期だからジャムラの実が赤々と実っている。 ここで育てているのは冬期用にレポラ、夏期ジャムラ。 春期と秋期には自生しているタトイの木の実を採る。 だから一年中食事に事欠くことはない。 ジャムラの実が熟しているのを確認してから必要な分だけとって家に戻った。
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