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「ご馳走様でした。」
朝食はガウディを練って作ったパンとジャムラの実。
それと昨日村に行って買ってきたヨーハンの乳、ラウスを飲んだ。
「う~ん。今日は何を採ろうかなあ?」
普段私は森にある様々な植物から値打ちがあるものを採取して村の人たちに売り、そのお金で森では採れない、例えばラウスやガウディを村の人たちから買い取る。
『村』というのはミロの森の近くにあるミハツ村のことで、おばあちゃん曰(イワ)く、村の掟で村人はミロの森に入れないらしい。
事実、この森で村の人たちを見かけたことはないが、そもそも村の人たちは何人(ナンビト)たりとも森に侵入できないように見張る役目を担っていて、その役目を負っている者が森に入ってしまっては本末転倒だからだ。
そして私は村の人たちから『姫巫女さま』とか『聖女さま』とか呼ばれていて、将来は村の男の子の誰かと結婚して、子どもを作り、その人と共に死ぬまでこの森で暮らす。
そうやってお母さんもおばあちゃんも、それから私の知らない曾祖母ももっとずっと昔の祖先の人も同じようにしてきた。
私ははっきりいって祖先の人云々(ウンヌン)と言われてもはあまりピンとこない。
でも自分も分からない頃死んでしまった両親に代わって私を育ててくれたおばあちゃん、
その人と死に際に約束したことを違えるなんていう親不孝なことをするつもりもない。
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