深く深く

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もう私はその庭を眺めてはいなかったわ       眩しすぎたの       後ろ見たら真っ暗で       私は次第にこっちのほうが  落ち着くようになったわ           でも何故か双眼からは雫が滴り落ちてばかりだったわ            どれくらい刻が過ぎたのかわからない       突然何かを叩く音が聞こえたの     私は不思議で久々に庭を見たわ       そしたら、青年と少年と少年と女は         私の足の太くて重たい鎖を    斧で叩いていたわ        「何をしているの?」          私は不思議で問い掛けたわ すると青年はこう答えたの        「一人じゃ外せないんでしょう?もう外せないところまで来てしまったのでしょう?大丈夫、この鎖は君が造った心(モノ)だから。」     「でも私は外せないわ」       少年は答えたわ       「外せないんじゃないよ、外さないんだよ」       「何故?」       少女は答えたわ       「誰かに助けて欲しかったからよ。見てほしかったからよ」       「何故?」       女は答えたわ         「寂しいからよ。」         私やっとわかったの     また双眼から雫が流れ落ちたわ     でも今度は     悲しくて泣いたんじゃないわ           四人は静かに笑んでいたわ      私は後ろを見たの         私の足に巻き付いていた鎖は         跡形もなく消えていたわ     少女は語り掛けてきたわ       「ほら、外せたでしょ」           あぁ…         ありがとう   これで私は動けるわ   皆と居られる       ふと見上げると 四人はいなかったわ     駆け出していつも眺めているだけだった庭に行ったわ        「おかえり」       四人はそこで迎えてくれた。         ありがとう         私を救ってくれて。         ありがとう。
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