日常

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チュンチュン……チュン 朝……… 小鳥の囀りが聞こえ… 春海は目を覚ます。 上京してから五年変わらぬ朝だ。 山本春海 23歳 会社員 地味で目立たない容姿に化粧もあまりしない… 笑顔もあまり見せない。 暗い感じのする女性だ。 朝の挨拶をする人もいない彼女は、黙って洗面所に向かう。 「…え…?!」 小さく声をあげた。 鏡には……… 見知らぬ女…! 髪の毛をゆるく巻き… 派手な化粧をしている。 長い睫毛… 色の濃いアイシャドー… くっきりとしたライン… 赤い唇… 「…な…ん…で…?」 春海は自分の顔を見てショックで固まっている。 ジリジリジリジリーー! 「!!!」 突然部屋の中に響く大きな音に驚く。 止めていなかった目覚まし時計の音だ。 「…ふぅ…」 一つ溜め息を漏らし… けたたましく鳴り響く音を止めにベッドの側まで歩いて行った。 今日も仕事だ。 化粧の事には驚いたが… 支度をしなければ遅刻する。 春海はシャワーを浴びる為に浴室に入って行った……
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