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「おはよう」
「おはようございます」
朝の挨拶が繰り返し聞こえる。
会社のロビーで春海は俯きながら、黙って歩く。
春海に挨拶をする人はいない。
友人などいないのだ。
「???」
春海の前に立ちはだかる男性がいた。
「おはよう」
浦原竜二 27歳
身長180㎝ 容姿端麗
少し影のある風貌は社内の女性に絶大な人気がある。
「…おはようございます…」
頭を下げて挨拶をする。
春海の顔には、警戒の色がまざまざと浮かんでいた……
「おいおい…他人行儀だな…昨日は楽しかったぜあんなに大胆だなんて…ビックリしたよ…」
「…はぁ…?」
「何をとぼけて…?…ああ…会社では内緒か?」
「あの…何の…?」
「わかったよ…会社では他人だな。じゃあ…またあそこで…」
竜二はそう言うと立ち去って行く。
「…あ!何を…?」
春海は訳がわからなくて
茫然と竜二を見送っていた。
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