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「あら、山本さん。おはよう…」
給湯室の前を通る春海に一つ上の根本雅美が挨拶をしてきた。
根本雅美 24歳
OLにしては派手な化粧をしている。
性格は気分屋で我が儘…
注目を浴びるのが好き…
常に自分が中心でいる事を望んでいる。
重役である根本重蔵の一人娘。
「おはようございます」
「朝から暗い顔してるわねぇ…あ、山本さん。会社で男に色目使うのやめてくれない?」
…まただ…
春海は朝から憂鬱になる……
前から嫌味は言われていたが…
陽介と同じプロジェクトの一員になってから嫌味は度を越して…
虐めとも取れる嫌がらせを毎日受けていた……
「…何の事ですか?」
表情を変えずに聞き返す春海に…
雅美の眉が吊り上がる!
「ロビーで見たのよ!浦原さんと親しげにしていたと思ったら、次は田口さん!まったく…あんたみたいな暗い女のどこがいいんだか…!」
憎々しげにそう言い放つと雅美は春海を押し退けて、去って行く。
…くだらない…
春海は雅美に侮蔑の視線を向けて…
自分の席へ着く。
書類が積み重なる机を見て…溜め息をつきながら手を伸ばした。
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