日常

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春海は仕事が好きだ。 仕事以外に興味があるものは無かった。 若い女の子がオシャレなファッションの雑誌を見ていても… 春海はさして見たいとは思わなかった。 故に…春海の仕事ぶりは素晴らしかった。 陽介とのプロジェクトに抜擢されたのも、そんな春海を上司が認めてくれたからだったのだ。 出る杭は打たれる…! 仕事で成功する毎に……職場の先輩達から冷たい視線を浴びた。 先ほど、くだらない文句を言っていた雅美もそんな一人だ… 「山本君…ちょっと」 「はい」 上司の片岡課長から呼ばれた。 急いで向かう。 「山本君、この前のプロジェクトは大成功だね。また…是非、君に頼みたいって開発部の田口君から頼まれたんだが…」 「田口さんが…」 田口という名前を聞いた雅美達女子社員が一斉に振り返った… 多分…聞き耳を立てているんだろう… 気のせいか、周りが静かになった……… 「どうかな?また頑張ってくれないかな?」 「はい。私でよければ…頑張ります!」 春海はそう言って頭を下げた。 「そうか!じゃあ田口君にそう伝えるよ。後で打ち合わせがあると思うから…頑張れよ」 片岡課長は笑顔でそう言った。 春海はまた一礼すると…自分の席に戻る。 そんな春海を雅美と、取り巻きの今野京子と飯田恵子が睨んでいた…!
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