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次の日、
目を覚ますとセイ達はすでに起きていて、サクラが朝食の支度、陽介が薪割り、涼介とセイは井戸水を使い顔を洗っている。
セイが起きて来たギンコに気がついて駆け寄って来た。
「おはよう、白髪のおじさん!」
「おじさんじゃないってのに…」
後ろから涼介がやって来た。
涼介はセイがまた「白髪!!」「おじさん!!」と言っている事に気付き、思い切りセイに拳骨をくらわせた。
「度々すみません…ほら、セイ!しっかり謝りなさい」
「おじさん、ゴメンなさい」
再びおじさん。
ギンコが拳を握り締め怒りを堪えた。
「セ~イ~…!」
「!!…ゴメンなさい…」
ギンコを睨み付けながらそれだけ言うと台所の方に走っていった。
すると、セイの背中に白いもやもやが見えた。
(あの時の子か…)
「あの、涼介さんちょっと、うかがいたい事があるんですが…」
「はい、なんでしょう?」
涼介はギンコに振り返った。
「お子さん…セイの事なんですが、たまに肩がこるとか腰が痛いとか言ってきませんか?」
ギンコが尋ねる。
涼介はしばらく黙り込み、腕を組んで考え込んだ。
そして、
「…あります。肩が重いと訴えて来ます。何かが乗っているみたいだって…それがなにか?」
それを伝えると涼介は不安そうにギンコに訪ねた。
それにたいしてギンコは、
「それは蟲の仕業ですな…後で家族の方と一緒にお話します」
「はい…」
会話を中断させ朝食の支度が出来た座敷へと向かった。
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