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「それでは、セイに付いている蟲に付いてお話します。蟲のことは先ほど説明したので大丈夫ですよね?」
ギンコは涼介達を見回した。
セイ以外はうなずいた。
「セイに取り付いている蟲は、ヨリツキと言う蟲です」
「ヨリツキ?」
陽介が不思議そうに尋ねた。
「そう、ヨリツキ…ケモノの死骸に寄付く蟲です。ヨリツキはしばらく死骸の中に潜んでいますが、死骸の肉を食べある程度成長すると、今度は人間に移るんです」
「その蟲はどんな害を与えるんですか?」
サクラがセイを見つめて尋ねた。
セイは何の話をしているかさっぱり分からなかった。
「ヨリツキは白いもやもやしたモノに見えます。見える体質の人にだけ見えます。人に付いたヨリツキはその人が死ぬまで付いています…害は肩こり、肩が重い、腰が痛いなど。これが続くとその人に災いと不幸を運ぶ…そう言われています」
ギンコは「ヨリツキ」について詳しく話した。
涼介は薬は無いのか聞いたが、ギンコは首を縦に振った。
ヨリツキを体からはなす薬はいまだに分かっていない。
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