不運を運ぶ死骸

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「最近死骸に触った事はないかい?」 ギンコが真面目な顔で聞いて来たのでさすがにおじさんとは言えず、考えた。 すると、サクラが、 「1週間ぐらい前に猫の死骸を見ました。…触らせないようにはしたのですけど」 隣りで黙り込んでいたセイが、口を開いた。 「触った!あの時の猫触ったよ!!」 涼介とサクラはお互いを見て驚いたようにサクラがセイに尋ねた。 「『動物の死骸を可哀相って言うとその死骸の霊が人間に憑いちゃう』って教えたよね?」 セイはこの前の出来事を思い出した。 死んだ猫が道端に横たわっている。 真新しい死骸… セイは可哀相だと思い、落ちていた棒で穴を掘り、その穴に猫を入れた。 土を被せ、墓標を立ててやると立派な墓になった。 サクラに可哀相と思うなと言われたがそもそも霊なんている訳ない…そう思っていた。 「『死骸を可哀相と思うと霊が憑く』…その言葉あっているかも知れません…とにかく、薬を何とかして作りますのでしばし待って下さい」 ギンコにそう言われ、涼介はうなずいた。
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