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それにしてもこの客もおかしいやろ。
今 ウチが隣に着いたこいつ。ジュリアの方ばかり見ている。
「タバコ吸い過ぎじゃない?」
ウチはそう言いながら、その男に火を出すと、男は一目ウチを見るだけで、黙って顔を寄せる。
こいつ。マジ何様。あ、お客様やった。
年はウチと同じくらい。つうか顔きもい。アソコだけやたらでかそう。
ウチのことそっちのけで、チラチラとジュリアを見ている。挙動もきもい。
奥でジュリアを指名した男の話からすると、スロットで勝って店に来たんだろう。
来るなザコ。
人が何を話しても「あー」とか「あそー」とか。あ行で終わらせるんよ。さぞかしジュリアがいいんやね。
貧乏ゆすりしちょるし。今日はウチ、機嫌悪いんだ。この卓離れたら、友達に愚痴りまくるけ。
そんなことを考えながらイライラしていると、ザコが突然口を開いて、大きめの声を出した。
「なあ ゲームしない?」
あ、助かる。ジュリアも身を乗りだして「いいよー 何のゲーム?」と言った。
「良かったら君の知ってるゲームを教えてくれよ」
「えー どうしよう」
悩んでる様子のジュリア。ウチもゲームで時間潰してくれた方が助かるから、助け船を出してやろう。
「タバコのやつは?」
「あ いーですね」
ジュリアはグラスに水を入れ、準備を始めた。ティッシュとグラスとタバコと1円玉でできる、簡単な居酒屋ゲームだ。
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