0002 渋谷 サチ

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「少しだけ教えてやるよ」 タキオは片手にタバコ、片手に説明書を持ちながらウチに話し始めた。 「これはSCM スレイブコントロールメソッドって言うんだ」 自分の口を開け、煙を吐きながら言うタキオ。 「ほあ」 どうやら口の中のSCMを見せたいらしいが、よく見えんし。 「はあ」 そういえば、SCMって箱に書いてあったな。 「このSCMはな 勝負をして 負けた奴を勝った奴が奴隷にすることができる機械なんだよ」 タキオは興奮した様子で、タバコを灰皿に強くこすり付ける。 「は?」 「は?って何だよ!お前は奴隷なんだよ!」 「すみません」 布団にくるまるウチ。 「想像の奴隷とはなんか違うな 今どんな気分なんだ?」 どんな言葉でも、ウチは即座に返す。 「なんか 緊張感というか あなたが怖いというか 不思議な感じです」 ウチの言葉に、タキオは黙ってまたタバコに火を点ける。 ああ、タバコ、吸いたい。 「ウチも吸っていいですか?」 ウチの要望に、タキオはまた説明書を読んだまま答える。 「駄目だ 吸うな」 「はい」  
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