0002 渋谷 サチ

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ウチの言葉を聞くと、タキオは満足そうに説明書を手に取り続ける。 「とにかく勝負に負けたお前は 今日から俺の奴隷だ 分かったな」 「はい」 タバコを吸えて、少し胸の中のイライラが収まったわ。 「お前彼氏は?」 「います」 「別れろ」 ウチの脳裏に、彼氏の顔が浮かぶ。 だらしなくてイライラするけど、たまに…。 「はい」 「仕事はあれだけか?」 「はい」 あれとはキャバクラのことやろ。 「昼は?」 「学生だけど あまり行ってない」 タキオはタバコを灰皿に押し付けた。 「そうか 今の月収は?」 「えっと 月換算だと40万くらいです」 ウチがそう言うと、タキオはニヤリと笑う。なんか、我慢しててもニヤケるようないやらしい笑い方やけえ、サブイボ立った。 「ほう 生活できるギリギリの金額は?分かってると思うが正直に言えよ」 ウチは頭の中で、家賃や光熱費、食費と携帯代を考えた。 「15万くらいです」 「つまり20万以上は俺に渡せるな?」 そうくると思っていた。 「はい」 「じゃあ俺に月々20万よこせ」 そんなセリフ、初めて生で聞いたわ。 「分かりました」  
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