0002 渋谷 サチ

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タキオはまた嬉しそうに下品な笑顔。なんでウチはこんな奴に、自分のお金を渡さなきゃいけんのやろ。 「客からプレゼントとか貰うよな?」 更にチラっとウチが着けている銀のブレスレットを見てきた。 「はい」 ウチはブレスを握る。これは、珍しくあいつがプレゼントしてくれたやつ…。 「全部俺に報告しろ 物によっては質に入れたり俺によこせ」 「分かりました」 ウチって本当、人生台無しにするような、取り返しのつかない失敗したんだ。怒りや自己嫌悪もあるけど、さっきから感じる冷めた感覚の名前が分かった。 これは、諦めだ。 「あとお前ジュリアって子は友達か?」 ジュリア。 「いいえ」 「仲良くなれ」 「え?」 タキオはまた、SCMの説明書をウチにかざしながら言う。 「このSCMにはいくつかの応用編があるんだ」 基礎すら知らないんやけど。 「その1つは 手に入れた奴隷を使って勝負をさせることができるんだ」 よう分からんし。 「よく分からない」 あ、言っちゃった。 失敗した感がある中、タキオは特に不快な様子もなく説明を続ける。 「まずジュリアにうまくSCMを着けさせる」  
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