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電話の相手は大学の友人で、今から飲みに行かないかと誘われた。
この友人の「飲みに行こう」は、居酒屋経由のキャバクラコースだ。
時々は付き合うが、今日は断わろうかと思うとスロットで大勝ちしたので飲み代はおごると言い出した。
ケチな印象は無いが、正直そんなに仲のいい関係でもないので驚いた。
何か理由があるのかもしれないが、行かない理由も無い。僕はすぐに準備をして家を出た。
2月の夜の外。
厚着をしていても素肌である顔面や、ジーンズ一枚越しの足へ凍てついた空気を感じる。
都内場末の飲み屋街を歩いていると、夜の仕事をする女性達が頻繁に視界へ入ってきた。
明るく盛った髪の毛に、スッピンなのか夜でもかけるサングラス。白と黒を敷き詰めたチェックのコート。
コートの中央V字のライン。細身の体のくせに、大きくて高級な卵の様な胸の谷間が見え、コート下の割れ目からは長くて細い足が見え隠れしている。
白過ぎる。いい足してるな。
その女の足を見た瞬間、あの足を自分の首へ絡ませ、足の甲に頬ずりするビジョンを妄想した。
次に、この寒さでよく足が出せるなと尊敬する。
僕は異常じゃない。
男が女を見た時に考える事は、大抵こんな下らない欲望だ。
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