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「別れてくれないか?」
それは、突然に告げられた。
日曜の昼時、俺、黒田楽は一人暮らしで、家に何もないことを解っており、バイト帰りに独り寂しくファミレスで昼飯を食していた。
そんな時に、その人は現れて、俺にそう告げたのだった。
もちろん、俺はその人の名前を知らない。
出会ったのも、今回が初めてだ。
「はい?」
俺は、口に運ぼうとしていた食べ物をそのままにして、疑問符だらけで答えた。
だが、その人は態度を変えることなく、同じ事を言ったのだった。
「別れるのか、別れないのかはっきりしろ」
物凄く睨まれているが、俺はこの人の事を何も知らない。
「えっと…」
「早く答えろ!!」
苛っとしたらしく、周りの人にも聞こえてしまいそうな声を出された。
いや、確かに周りに聞かれてしまったようだ。
視線が物凄く痛い。
「別れるとか言われましても…、今、出会ったばかりですし…、答えられないのですが…」
「は?出会ったばかりだと?いい加減にしろよ?お前とは、三年前に出会ってるんだよ!」
また、声を荒げられてしまった。
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