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深紅の空が闇に沈み逝く
初夏の風は遠い日の君の謳に乗せて薫る
汗ばむ肌に纏わり付く
生暖かい雨風の不快感さえも
虚無感に悶える今の僕には
喉から手が出るほど欲しい感覚…
涙は枯れ果て
血を流し
温もりを感じながら
色彩を変え渇いて行く君の細胞
冷めて逝く指の先に
人間の儚さを見る
哀しいほどに美しい
愛しき日々は終わる…
暗闇の中で白に染まる君へ…
『オヤスミ、可愛イ子…』
黎き空に微かに残る緋き色彩
広がる闇に一筋だけ異なる色が滲むcontrast
穢れたこの掌に纏わり付く生暖かい君の温もりは
熱帯夜の空気の中でさえも冷めて… 渇き…
噎せ返る薫りでいつまでも
僕の罪を苛む…
涙は枯れ果て
血は薫る…
温もりを失いながら
色彩を変え渇いて行く君の細胞
冷めて逝く指の先に
人間の儚さを見る
哀しいほどに美しい
愛しき日々は終わる…
暗闇の中へ無に還る君へ…
『オカエリ、可愛イ子…』
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