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弟は中学を卒業後、進学せずに地元の製材所に就職した。 そこでの仕事は製材機で木材を加工する事。 製材機というのは簡単に言うと、平たいテーブルの表面から丸いノコギリの刃が半分出たような形をした機械で、作動させると刃が高速回転し、それで木材を切断する事が出来る。 その日も弟はいつものように製材機の前に立ち、木材を加工していた。 ただ、昨日の晩……いや正確には出社する今の今まで徹マン(徹夜で麻雀)をしていたので少し頭がボヤッとしていた。   本当は仕事の事もあるので軽く……のつもりだったのだが、面子は久し振りにあった友人達、しかもビールも入っていたので、ついつい盛り上がってしまったのだ。 気がついた時にはカーテンの向こうが明るくなっていた。 ヤバい!と思って時計を見ると、出勤二時間前。 しかも麻雀の勝敗は散々な結果で、今度会った時に飯をおごる約束をさせられてしまった。 くっそ~っ……。   勝負に負けた上に猛烈に眠い。   
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